おもいでの民家 ミコノス島の集落

■アテネの街より船でエーゲ海の島々をすり抜けるようにして5時間余り、ミコノス島に到着した。
■まちは入り江の奥に造られた港を中心に背後の丘に向けて開けている。人口は6,000人余の町という。
丘の上から眺めるエーゲ海は水蒸気の少ない乾燥した空気のせいか、突き抜けるような透明感のある紺碧の空と海である。まちの旧い場所では数百年経過しているといわれる。
■訪れた時は、島が旅行者で賑う夏のシーズン前の3月中旬で、まちなかの店はシーズンに向けてオープンの準備に取り掛かりかけた時期であった。そのため人通りはまばらで、普段のまちの姿が見られたように感じた。
■道は三叉路を交点として展開し(四叉路は見かけない)、その道幅は細く、各住居の外階段を取り込みながら膨らみ縮んだり、うねり捩れながら迷路のように交錯している。
道沿いの壁、塀、階段またはテラスは漆喰のマットな白色に塗られ、1つの住居を区切り取ることが不可能に見えるくらい連続している。白色は1975年に島の条例として定められたという。塗り重ねられる外観は白さが定期的に更新されるため、何時も美しい白色を保っている。これがさらに島の美しさを増している。
うねる道は狭く見通しがきかないため、外部空間は内部空間の延長のような構成となっている。道を歩きながら、集まって住むのに心地良いコミュニティ空間と感じていた。
■住居群の白色と紺碧の海と空とのコントラストの美しさに魅了されながら、豊かなまちとは「何を積み重ねてゆくことなのか」と改めて考えさせられるまちであった。