昭和50年代に建築された鉄筋コンクリート造(RC造)の住居の部分的なリニューアル。
設計にあたって、私達が建築主に提案したことは住居内に独立柱(大黒柱)を立てることであった。
一般にRC造の住居は、大きな断面の柱と梁で空間を構成するため内部に木の柱を見ることができない。この住居も内部には、独立した柱が無く、私達から見て柱の欲しい空間がつながっていた。そこで、室の中に大黒柱を立てることにより、木造民家のもつやわらかさ、優しさを内部に持ち込もうと考えた。大黒柱につながる天井は、民家の天井構成の一つである根太天井と大引天井とし、民家の内部空間を想起するものとしている。
施主御夫妻は幼い頃、岐阜県の飛騨地方で過ごされている。幼い頃おそらく体験されたであろう飛騨民家の大空間、その心象風景にふれる空間つくりを目指した。
御主人は、人命を預かるハードな仕事をされており、そのストレスは大変なものとお聞きする。いつかどこかで体験したような遠い記憶につながる心休まる空間。そんな空間の中でゆったりと心地よく体を休めてみえると竣工後奥様よりお便りを頂いた。




