再生にあたって
この家は築後200年ほど経過していると思われます。
伝えによると、この地(長浜市柏原)より北へ12㎞ほどの所にある杉野という集落にあったものといわれています。
100年ほど前、杉野の地で移築のため解体され、近くを流れる高時川を筏に載せて部材を運び、下流にあるこの地、柏原のて陸揚げされ再築されました。再築されてから100年ほど経過して現在に至り、今回2度目の再生工事を行ったことになります。
建物内部の骨組を見ていると、そうまでして移築した理由が分かります。
主たる骨組はすべてケヤキです。
300×450の大黒柱、その大黒柱につながる少し湾曲した大径の大梁、そして通し柱は成が36㎝ほどある差鴨居で固められていて、迫力ある骨組に圧倒されます。
再生前の状況は、30年ほど前にされた改修工事によって柱、梁は新建材で隠されていました。
今回の改修で、2階の小さく間仕切りされていた室はなくし、建具を開けると大空間としてつながる民家の間取りを活かしたものとしています。
建物が建つ地盤は、周囲よりも低く、雨水が建物内に侵入しやすい状況であったことから、建物を揚屋して基礎をつくり、元より15㎝高くしています。
建物の外周は揚屋の際に布基礎をまわし、内部の通し柱は石場建てだったため、礎石まわりをコンクリート基礎にて補強し、今後の不陸が発生しないようにしました。通し柱の足固めを新設して足元を固め、軸組については構造用合板または、鉄ブレースで耐震補強しています。
建物は週末にセカンドハウスのように使用されるため、内部は非日常な大空間としました。また、浴室には大浴槽を備え、外部との仕切りはすべて引き込み戸として、屋外へとつながる露店風呂の雰囲気を楽しめるようにしています。
また、玄関ホールの右手には、この地に再建されてから燻され続けてきた真っ黒の壁を、一切手を加えずそのまま残し、100年の時を留めるものとしました。









再生前後写真



















