米原市内のD集落にある築100年を経過した民家の再生事例。
K邸は現在の地に約100年前に移築されている。
建築主であるK氏に基本設計の段階でお話をうかがっていると、住まいは明治44年にこの地に建築されているが、それは移築であったという。私達は湖北地方で民家の再生を手掛ける中でこの『過去に移築されている住居』に実に多く出会う。その『移築されている住居』は概ね良質な家であることが多い。以前の土地に建っている時『解体するに忍びない畏れ多い家』であったろうことから、解体を免れ、他の土地へ移築されるのであろう。K邸もまさにこの良質の家であった。移築の裏付けとして、詳細調査において大黒柱の継ぎ、差鴨居の継ぎがわかっている。
今回の再生工事では、主要な構造部を補強し、耐震補強を施している。又、内部においては隠されていた魅力に新たな光を当てて現代に蘇らせ、現代生活のニーズに応える新たな機能を付加している。2度の再生工事を経た住まいであるが、現代生活に充分対応可能な住居として蘇生できることを証明している。

南側一部は増築している。

2階床板を撤去し、玄関を吹抜に改修している。

湖北の民家の特徴である、帯戸・格子戸は再使用している。

改修前は根太天井であった部屋を、2階床板を撤去、根太及び大引は残して吹抜として改修している。

改修前は、大引天井であった部屋。改修後も大引をそのままあらわしている。
以前は土間であったところ。

以前は土間でかまどがあり吹抜であったところ。右上の黒壁の部分は新建材の壁を剥がすと、かまどの煙で燻され真黒になった壁があらわれたところ。住まいの変遷を物語る壁として、今回は何も手を加えず残している。 右の板壁は、根太天井であった部屋の天井板を加工し、壁板として再使用している。

