・設計の依頼をいただいたN氏の敷地内にある、築75年を経過した納屋を美容室に改修したものである。
・店舗を設計する場合、開店後の収支計画から厳しい建設コストを要求される。そのため、身近に接する店舗の多くは表面材がチープな新建材で包まれることが殆んどである。
・私たちは民家の再生に日ごろ取り組んでいることから、本物の持つ素材の力を引き出し内部を構成することが多い。今回も厳しいコストの中で既存納屋にある土壁(荒壁)をそのまま内部にあらわしにすることで、本物の材料の持つやさしさに包まれた豊かな空間とコストダウンの双方を実現している。


設計に先立って改修予定の建物と現場で対面する。
その屋根の一部は抜け落ち、相当の長い期間使用されず放置されていることが想像できる外部・内部の様子であった。


その改修予定の中2階(ツシ)へ上り、暗闇の中で出合った荒壁の美しさに感動し、店舗の内装としてそのまま手を加えずあらわしにしている。


設計作業は、内部に張りまわされた新建材と間仕切の解体を先ず行い、内部を素形(建築された当時の姿)に戻してから内部プランを決定している。


内部のインテリアは中国風にしたいとのオーナーの要望意図に寄り添い、細部を決定している。

店舗内には地域の民家のつくりを特徴的に表す部分(荒壁)もあり、それをカットスペースの前に補修の手を加えずそのままあらわしとすることで、地域の家づくりの仕組みを紹介している。
内部解体時に切り取った土壁の土のみを落し、あらわれた小舞(ヨシ)を洗いスクリーンに利用している。荒壁の小舞は一般的に割竹で組まれるが、建設地は琵琶湖に近く、小舞は葭(ヨシ)で組まれている。



