
地域の家づくりが変化し、伝統工法で建築される住宅が少なくなっている。
昨今の住宅は、商品として扱われ、「快適さ」を売り物に、「安さ」と「かたち」さらには「早さ」を競い、驚きの工事期間で家が次々と完成している。結果、集落、又住宅街の景観も変化してきている。
大黒柱のある家(M邸)は、そんな家づくりとは対照的に、設計から完成まで2年半をかけ完成している。
敷地は、伝統的な住居が集積する長浜市内の集落の中にある。外観については、既存の伝統的な住居群と違和感なく存在するよう、外形、配色に配慮している。住居の中心に欅の大黒柱(33cm角)を配置し、大径の柱間は差鴨居で固め、外壁は貫を通し土壁で包んでいる。軸組み、小屋組み共この地方の豪雪に耐える伝統的な架構を模し、堅固な逞しい構造体としている。
外観は、内部の逞しい構造体を余に、現代の住居らしさを表現している。
木工事においては、良材の調達の難しい大黒柱、通柱、地松丸太は施主の支給品として地元の良材を事前に準備している。
旧家屋の記憶を引継げるよう、旧家屋(納屋)の小屋組みの一部松梁を吹抜に再使用したり、旧床の間の地板、通柱、又想い出の建具の一部を新住居の各所に埋め込んでいる。木と土を和紙を多用した住まいは、呼吸する空間となり、大きく開けた窓は、自然と触れ合い、心地よい風がいつも流れている。




















食卓カウンターに埋め込んだビー玉


