新型コロナウイルス禍の中、リモートワークの浸透により人が密集する都市部から地方へ移住を検討する若者が増えている。また子育て世代にとって、住居等の経済的な負担が少なく自然豊かな環境の中で子育てできる地方の生活はとても魅力的である




■地方での生活の器となる住まいは、移住先で新築するか、又は既存の住宅(空屋)を改修することになる。
■移住を計画するミレニアム世代は、環境に対して鋭感であることが多く、住まいに関しては、日本の伝統的な構法でつくられた古民家が備える「木と紙と土を使った共生・循環型の家つくり」に大きな関心を寄せている。
■現在の住まいつくりは都市部又地方でもファブリケーション化、商品化が進み、その集積となるまちなみは日本全国で画一的なものとなっている。そんな中で、地域の伝統建築に目を向け、改修し残してゆくことは、地域の景観を守り、地域のアイデンティティつくりにもつながってゆくと思っている。


■地方への移住が気運となる中で、わたしたちのまちに移住する若者(N氏ご夫妻)の家づくりに関わることになった。N氏は、首都圏においてCG関係の仕事につかれ、通信環境さえあれば、仕事は何処でもできるといわれる。今まさにいわれれる「リモートワーク」が可能な職業である。
■N氏は近隣のまちで古民家(空屋)を探すとともに、自分たちが現実の生活を送ることになる『まち』をよく知ろうと、何度もこのまちを歩き、人と交わり、まちの匂い、響きを知り、自身の波長とあうまちであることを見極めてこの町に住むことを決断されている。
■古民家探しの対象は当然に木造である。木造住宅の良し悪しの見極め(インスペクション)は建築に携わる者でも難しいものである。地域で古民家の再生又歴史的建造物の修復に関わり、良質の民家の情報を少なからずもつ私たちが古民家選びのサポートをおこなっている。結果、この地域の家づくりの特徴を色濃く残す極めて良質の民家を購入されている。
完成写真

・木造2階建てで出格子を備える
・平入りで出格子の左が玄関













着工前写真

・木造2階建てで出格子を備える
・平入りで出格子の左が玄関



主屋の南側に屋外便所棟が 取付いている

改修途中の南外観
Before&after
<ダイニング・リビング>


<ダイニング>




<階段室>


<リビング(2)>



明治39年(1906年)建築

近くでは柏原宿歴史館等の 名建築を残している
民家を構成する和室、床の間、障子、欄間、建具は日本の建築文化そのものである。
どのパーツを見ても感嘆されるN氏ご夫妻の姿を見て、現在の住まいつくりが大きく変化してきていることを感じさせられる。今回の改修工事では、その座敷、床の間、障子、欄間はそのままに、建具は場所を変えて随所に再使用することで「 OLD & MODERN 」な時空間を創りあげている。

