住居に転生した築150年の土蔵
S家で長らく解体されることなく大切に保存されてきた土蔵である。
当初の建築は、明治8年(1875)で、その後、大正2年(1913)に規模を大きく改修されたようである。
建築主S氏は、この土蔵を住居に改修しようと計画し、あちらこちらの建設会社を訪問されたようだが、自分たちの希望が叶わず、私たちの事務所にたずねてこられた。私たちはこれまで、十数軒の土蔵を展示館に用途変更したり、又、改修をおこなっている。
土蔵に関しては、少なからぬ知見があることから、S氏の細かな要望を受けると共に、土蔵特有の構造を説明しながら実施詳細設計を経て、工事着工している。


着工前写真



土蔵はその性質上、間口部は小さく少ないため、そのままでは住居としては機能しない。外壁に複数(10ヶ所)の開口を設けて、採光・通風を確保している。土蔵は、外壁に厚さ15㎝程度の土を塗りまわし、開口部が少ないことから、高気密、高断熱のつくりとなっている。その内側にさらに、断熱材を入れ、高気密化を計っている。
内部空間については、元々、居住空間としてつくられていないことから、大きな空間の住居とはならない。ヒューマンスケールの中で包まれるような内部空間はとても快適である。家族がひとつになり、暮らしつながる小さな住まい。
住まうことの原点を感じる家である。
工事中写真





完成写真











Before&after
<南外観>


<南東外観>





<玄関ホール>



<リビング・ダイニング>





<2階子供室>



