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匠工房  |  滋賀県米原市を拠点とする建築設計事務所

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代表作民家再生公共建築指定文化財・登録有形文化財

四居家住宅 – 復原

四居家について
四居家は間口5間半、奥行7間の比較的大きな町家である。四居家の建築年代は、部材の古さや構造形式から18世紀はじめと推定され、長浜最古の町家遺構とされている。

復原内容については、『四居家住宅復原整備に向けての基本計画策定のための調査報告書』・・・京都府立大学大学院教授、大場修氏著 2005年・・・に基づいて決定され、その文化的価値を損なわないよう配慮されたものとなっている。

外観の両妻に揚げる卯建の復原については、近くの町家にある形状を調査し決定している。又、古い町家の店構えであるバッタリ床机と蔀戸、桔ねあげ大戸についても、近隣にある町家の類例を参考に形式を決定している。

このような本格的な町家の復原は、私達にとって初めての経験であり、現場でのディテール決定において右往左往するその時々に、大場先生の御教示、御指導をいただいて完成している。又、現場担当者の笹口雅弘氏の熱意にも支えられ、精緻な仕上りとなっている。

完成後は湖北観光情報茶屋として、湖北の観光情報の発信拠点として活用されている。
EPSON MFP image
復原後の外観
ばったり床机(しょうぎ)、蔀戸(しとみど)を閉じた状態
通り土間
通り土間
ナカノマと次の間
座敷
庭園
庭師 植宇(布施宇吉1894~1938・鈍穴の影響を受け
小川治兵衛と親交があった)による庭園
京風のおとなしい庭をつくり長浜で20庭を越す名庭を残している。
2000年の外部改修工事前の外観(2000.4.20)
外観(着工前)

耐震補強の性能と診断
1)伝統的建築物の耐震性能評価の手法
四居家住宅の建築年代は18世紀初~前期とされ、現存する長浜最古の町家遺構としてその価値はきわめて高い。 この四居家住宅の耐震性能を評価するにあたり以下の条件を考慮している。
1)未指定であるが、文化的な価値が高い。
2)長浜市の観光案内所として公共の用途に供する。

四居家の耐震性能は2段階で評価する。まず、復原しただけで補強なしの状態で耐震性能を評価し、次に大地震時に人命の保護と倒壊防止を目標性能として必要に応じた構造補強を行い、補強後の耐震性能を確認している。
伝統的な木造建築の耐震性能に関する手法、及び判定基準は、建築基準法や「文化財建造物耐震診断指針」(文化庁)、「木造住宅の耐震診断と補強の方法」(日本建築防災協会)等に示されている。
本検討では、原則として文化庁文化財部「重要文化財(建造物)耐震診断指針」に準拠して判定基準を設定した。
また、解析手法は主に限界耐力計算を採用し、一部に独自の手法を加味している。解析は、架構モデルを「耐力壁+木造ラーメン架構」として伝統構法の特性を考慮している。
2)必要耐震性能の設定
「重要文化財(建造物)耐震診断基準」によれば、大地震及び中地震時に許容される被害程度により、次の3つに区分されている。
1)機能維持水準・・・大地震時に機能が維持できる。
2)安全確保水準・・・大地震に倒壊しない。
3)復旧可能水準・・・大地震時に倒壊のおそれがあるが、文化財としての主要な価値を損なわない。 当建築は「文化的価値を損なわない範囲の補強設計を行う」という趣旨より、耐震性能評価水準は「安全確保水準」とする。
3)評価基準値
「安全確保水準」における耐震性能の目安
1.中地震時  軸組に変形が生じる
層間変形角1/60以下
2. 大地震時  軸組に大きな変形が生じるが倒壊しない
層間変形角1/30以下

本診断においては上記の評価基準を設定する以外に各地震時において木造部材、接合部、壁の耐力確認に本件独自の診断基準を設けている。
4)耐震補強の方法
耐震補強については、基礎、壁、柱梁部材の強化、足固めの新設、破損部材の取替え、水平垂直の補正、偏心率の改善等をおこなっている。 また、柱、梁等の交点である仕口部に制震装置(仕口タイプ粘弾性ダンパー)を取付けすることで、強い地震動や風圧力を受けた時、建物全体の減衰性能を増大させることで建物振動エネルギーを吸収し応答値(変形)を抑制している。
5)補強後の診断結果
中地震時における層間変形角は、建築基準法で規定する1/120以下であった。少なくとも中地震時においては一般的な木造平家建物(壁量計算)同等の性能を有すると推察できる。また大地震においては文化財の耐震規定に照らして安全確保水準(層間変形角1/30)は保有し、所要の性能が確保されたことを確認している。

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私たちは、建築はまちの最大の記憶装置ととらえ、その生み出す新たな可能性を追求しながら、地域社会に貢献することを目指してまいります。

 

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